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水の都・西条に建つ『安住(あんじゅう)の家』の上棟日は夏の終わりに差し掛かる、まだ残暑の厳しい一日となりました。 
まずは、仕事を始まる前には現場を清めるため、棟梁の松っちゃんによって四方八方へと塩が撒かれました。
準備に一段落がつくと、一度、住まい手・作り手と皆が集まってお施主様のご挨拶が行われて、順に、皆、お神酒の入ったコップを持ち乾杯を行いました。
棟梁の松っちゃんと今日の材料の段取り役となる順さんが図板にて確認を行いながら、建てていく順番を念入りに打合せをしていました。
まずは、一人の大工さんが管柱を名付けされた通りに配置箇所へ持っていき、もう一人の大工さんが引張掛矢を使って管柱を叩き込んでいきました。
管柱が納められていっている最中には段取り役の順さんは横架材を選り分け、順番で早く納めていく材料から玉掛けバンドを取り付けていました。
そして、管柱と大黒柱の材たちが垂直に納められると、次に水平方向へ大黒柱へ横架材差し付けられ、樫の木栓によって固定されました。
順に、大黒柱には横架材が四方から差し付けられていき、荷重をしっかりと受ける本当の意味での大黒様の風格を醸し出していました。 
二本の横架材を大工さんの技によって繋ぎ合わせ、より長くして一本の化粧材として納めていく際には、予め、加工場で繋げてからカンナを使い目違いを直し、更に、全体を仕上げていきます。 
また、大きな丸太とその丸太を受ける敷梁を十字に噛ますことで、荷重に耐えるだけではなく、ぶれることの無いしっかりとした構造躯体が出来上がっていきます。  
二本、三本と複数の繋ぎ合わせ、一本の構造材を作るため、シャチ栓継ぎが用いられたのですが、予め、木材加工場にて組まれ、綺麗に仕上られていることもあり、確実に作業が進められていました。
三角矢切の屋根部分の構造材となる甲乙材は予め、段取りがされ、レッカーによって一気に吊り上げられ、現地へと運び込まれていきます。
また、運び込まれた甲乙材は、3人の大工さんによって間違いの無いよう名付けされた番号を確認して一斉に叩き込まれていきました。
そして、甲乙材にかぎ込まれた渡りアゴの箇所へ、同じようにかぎ込まれた母屋材をしっかりと噛ませ掛矢を使って叩き込んでいきました。
順番に母屋が納められると、棟木の穴と棟束のホソにはお神酒が掛けられ、その棟木を納める瞬間が訪れようとしていました。
また、棟木を納める際にはお施主様ご家族に、てっ辺まで上がっていただき、大工さんと一緒に掛矢を使って棟木納めを行いました。
晴天の日中に行われた棟上げだったのですが、夕方には強い雨が降り出したため、この日の建前作 業は垂木を打ち付けた後、終了することとなりました。
そして、雨が降っても濡れないよう、建物全体にブルーシートを覆い被せ、大工の隆兄さんの音 頭により上棟式が始まりました。
また、この時ばかりは作り手・住まい手ともに表情はとても穏やかで、笑顔溢れる場面をたくさん目にすることとなりました。
一生に幾度も無い家造りの“上棟”という日を迎えられ、お施主様ご家族に、新たな“思い”が芽生えられたのではないでしょうか。 それは、図面の段階ではまだ目にすることの無い、“形”への“不安”と“期待”の入り混じった思いから、実際に軸組を目にすることで確かな思いへと移り変わったことでしょう。