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『息吹木~受け継がれし木造の家~』の上棟となった日は、まだ冷たい風の吹く春の朝となりました。

まずは、棟梁・憲さんが現場に塩を捲いて、今日の建前が始まりました。

棟梁を中心に図面を確認しながら、構造材を組んでいく順番を決めていきます。

大工さん全員でブルーシートを剥がし、材料を繰り広げて、建前の段取りが整いました。

そして、段取りが終わり、一区切りが付くと、大工さんたちの顔合わせとなる施主様のご挨拶が行われました。

施主様は、ご家族一人一人のご紹介の他、この家造りに対する思いを述べられて、乾杯を行い、大工さんたちは、各配置に付きました。

施主様の未来の暮らしへの思いと同じくらいの強く眩い朝日が照り付け、まずは、勢いよく、一本の通り柱が立てられました。

順に、管柱が立てられ、胴差の長ホソ部分が通し柱へ差し付けられて、一斉に管柱の上端へと落とし込まれました。

化粧材の梁を架ける際には、仕口の両端を金槌で叩き、乱れないように取り扱われます。

また、その梁を納めていく際にも材料にアテ木を被せて、掛矢で叩き納めていきました。

大黒柱を納める際には、ホソの長さのテェックを行い、少し長かったのですが、強度を高めるためにホソは切らず、たとえ面倒でも穴の方を掘り足しました。

改めて、ホソの確認を行い、納まると確信出来ると、掛け声と共に、大工の盛さんが引っ張り掛矢を使って、大黒柱を納めました。

平屋部の棟まで延びる大黒柱を納めると、二階を組み上げる隣接する通し柱に胴差しを差し付け、建物の構造躯体を木組みで一体化させました。

順に、その通し柱から平屋部へ向けて、差し付け、落とし込みという風に、水平、垂直方向へ組み込んでいきました。

青空の下、大きく伸び上がったレッカーは、休むことなく、力強く、構造材を持ち上げていきます。

また、風は時折、吹き続けるものの、構造躯体が組み上がっていくごとに建物の揺れが消えていくように感じました。

大黒柱の両端に取り付く胴差が取り付いたのですが、差付けの巾の硬さもあり、くっ付きが良くなかったため、ベルトを使い、材料同士を締め寄せました。

>しりばさみ継ぎでは、切り組み段階の時の『刻み』の〝技〟が光ることとなります。

また、斜めに削がれたかしのきの栓をしっかりと打ち込むことによって、複数の材料が〝技〟の注ぎ込まれた〝一本〟へと変わっていくのです。

引っ張り掛け矢は、主に、柱を納める際に用いられるのですが、今回のホソの硬さは、いつもよりも硬めだったように感じ、なかなか入らず、皆、一苦労していました。

二階の床組が組みあがった頃には、建物の揺れもほとんど感じられなくなっていました。 

それでも、時間は、刻々と過ぎ、しっかりとした組み方であるために、いつも以上の手間と時間が掛かっているようにも感じました。 

この日の朝は、少し肌寒かったのですが、お昼休みには、施主様より真心込められたお持て成しがされ、皆で美味しくいただきました。

そして、お昼休みも終わって、建前作業が再開され、二階の柱が立てられていきました。

小屋組みには、若手大工のヒロや達っちゃん、カズくんらが掛矢を持って動き回り、どんどんと組み上げていきます。

また、ベテランの健さんも大きな掛矢を力一杯に振りかざして、丸太梁を納めていきました。

大工さんたちの掛声と掛矢の音が朝生田の空に響き渡っていました。

そして、16時を回る頃には、いよいよ上棟を迎えることとなり、棟梁の憲さんが棟木にお酒をかけていきました。

上棟となる棟木を納める際には、施主様とご長男、ご次男と天辺まで上がっていただき、大工さんたちと一緒に棟木を納めていただきました。

無事、棟木が納まると、お子様は、お父さんにしっかりと抱きかかえられて降りられたのですが、一生の思い出となったのではないでしょうか。

そして、神代の隆兄さんを中心に上棟式が行われて、これから先の工事の安全とご家族の未来の暮らしの安泰を心を込め、祈願を行いました。

〝住まい手〟となる施主様ご家族の〝思い〟。

〝作り手〟となる大工さんたちの〝思い〟。

〝思い〟は、今まで、それぞれ違っていたのかもしれませんが・・・。

『今日』という日を迎え、お互いが言葉と言葉を交わすことから始まり、そして、出来るだけ心を一つとして通じ合おうとする気持ちによって、これからは、『心の和む家造り』を、より一層、輝かせてくれるのかもしれません。