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柔らかな優しい表情で暖かな土壁の『折々の家』の上棟は、二日間に渡って作業が行われる事となりました。

上棟作業の一日目。前日までには、現場の方には、幾らか材料が運ばれており、また、当日には、柱が運び込まれ、レッカーで一斉に吊り上げられ現地へ移動させられました。

仕事始めには、棟梁・中ちゃんによって、安全に作業が行えるよう厄払いの塩が基礎や材料の隅々に撒かれました。

建前作業の段取りが出来ると、一時、中断され、施主様と大工さんたちとの初めての顔合わせとなる施主様のご挨拶が行われ、そして、参加者全員でお神酒をいただいての〝乾杯〟が行われました。

材料同士は、仕口や継ぎ手によって組み方がそれぞれ異なって複雑になっており、順番通りに組んでいかないといけないため、中ちゃんの適切な指示が行われていました。

まずは、柱と柱の間に横架材を差し付けると、数人掛かりで、この一体化された木組みが一斉に土台へと落とし込まれました。

また、一階土台から二階の桁まで延びる通し柱と二階を支える管柱には、三本の通し貫が差し込まれ構造躯体として、しっかりと木と木が一体化されていきました。

化粧横架材の継ぎ手においては、しりばさみ継ぎ工法が用いられ、斜めに削がれたシャチ栓を打込むことによって、ピッシャリと二本の材料が引っ付き合いました。

それを最初に組み合わせた横架材の上に渡し、その横架材に差し付けられていく各柱と共に咬み合わされました。

全ての材料が組み合う場所に粗方、添えられると、大工さんたちは、アテ木を化粧材に添え、掛け矢を使って大きく振りかざし、力一杯叩き、材料を納めていきました。

更に、その材料の上には、胴差しが乗せて咬み合わさせ、また、柱に差し付けられながら、通し柱と通し柱に差し付けられました。

今回のレッカーの誘導は、工務のマーくんが行い、図面と材料を確認しながら、注意深く、無線を使ってレッカー運転者へ指示を行っていました。

通し柱の胴差しは、差し付け部分が一方だけではないため、咬み合い方に応じてホソの形の墨が付けられて刻み込まれています。

通し柱部分の胴差しの差し付けが取り付き、全ての柱の位置が決まると大工さんたちは掛け声と共に一斉に掛矢を振り落とし、材料を納めていきました。

また、柱と胴差しが全て納まると、次に胴差しをしっかりと納めて、樫の木の栓によって組み合わせていきました。

今回の工法では、化粧材となる登り梁も多用し、そうすることによって、屋根高を抑えると共に部屋内をもすっきりとさせていきます。

一本、一本の材料は、大工さんたちによって、傷が付かないよう、あたかも、赤ちゃんを抱くような気持ちで扱われていきました。

お施主様にてっぺんまで上がっていただき、大工さんの掛け声と一緒に棟を納めていただきました。上棟です!

法律上、最終的には〝金物〟の存在は、決して、無い、とは言えないものの、木と木で組み合わせていくことの〝存在〟が一番に大きく、本当に強い構造躯体を創り上げているのです。

そして、それは、確実に設計士の計算された図面だけによって出来上がっていくのではなく、更に、そこへ職人さんの『経験』と『知識』による『技』が注ぎ込まれた図面があるからこそ出来上がっていくとも言えるのでしょう。

慎重な作業と共に刻々と過ぎていく時間。 

大きく響き渡る躯体の上を動き回る大工さんたち。 

また、次から次への材料を振り分け、段取りを行っていく大工さんたち。

納めていく方法を考えながらも経験と普段からのコミュニケーションを下に大工さんたちの呼吸も合っていきます。

施主様もお子様も構造躯体が組み合わさっていく様子を楽しそうに覗われていました。

仕事の確実さと天候の良さも手伝ってか、手際良く順調に組まれていき、夕方頃には、小屋組み部分まで組み合わさっていっていました。

大工さんたちは、疲れを感じさせることもなく、気持ち良く、掛け声と共に材料を一本、一本、と納めていきました。

そして、この建物の最上部となる棟束が立てられて、順に、長い母屋が組まれていきました。

ここで、一日目の建前作業は終えられ、明日の上棟へと、大工さんたちは気持ちを切り替えていました。

上棟作業となる二日目、3本の化粧の登り梁をしりばさみ継ぎ工法で継ぎ合わせ、長い1本の材としました。

そして、それを確実に玉掛けがされると、レッカーを使い、一斉に吊り上げられていきました。

この屋根の形を創り上げる構造材が組み合わさっていく瞬間には、施主様も胸の高鳴りが膨れ上がってきたのではないでしょうか。

いよいよ最後の登り梁となる材料を納める際には、施主様にも建物のてっぺんまで上がっていただきました。

そして、施主様にも掛矢を持っていただきまして、大工さんの掛け声と共に、登り梁を納めていただきました。

上棟という特別な二日間を過ごされ、掛矢の叩く音と掛け声と共に胸の高鳴りがより一層、響き渡り、また、この日の記憶と共に、未来の暮らしへの『思い』が間違いの無い『真実』となって、ご家族皆さまの心の中に刻み込まれたのかもしれません。