素材へのこだわり

家も呼吸する

森の中で深呼吸をするのが気持ちいいように、家の中を気持ちのいい空間にすること。

長い時間を過ごす場所を気持ちよく過ごせることが大切です。

家を呼吸させ湿気を溜めないことが気持ちのいい家であると同時に長く暮らせる安心・安全な家であることにもつながります。

「木の家は心地いい」
なんとなくみんなが思ってきたことが近年、科学的に証明されはじめました。

たくさんのいいことには理由があります。

この世界には目に見えないたくさんの生き物がおり、それらを総称して微生物と呼びます。この微生物たちにはいいものと悪いものがいて、人間にとっていいものの代表としては味噌や日本酒に含まれる酵母菌や枯葉や動物の死骸を分解して土を肥やす菌などがいて、悪いものの代表にはカビやウイルスなどがいます。
カビやウイルスなどのひとに悪影響を与える菌はどこにでもいますが、それを増やさないようにすることが肝心。これらは湿度が極端に高いときや低いときに発生すると言われており、調湿性のある素材を使ったり、風通しのいい家にしたり、それでも足りないときはエアコンや除湿器・加湿器など機械を使うなどすることでじょうずに共存していくことができると考えます。

木のチカラ

木材をふんだんに使用した住宅。

木の家の科学が進み、その心地よさが研究され解明されています。木が発する揮発性化学物質の成分の名前を「フィトンチッド」と言うそう。木が森の中で生きていく上で腐朽菌やカビ菌から自らを守るために身に着けた物質のことで、防虫や抗菌の効果があります。森の中で感じる心地よさや脱臭効果もあるのだそう。
この成分は製材されても残るため、家となっても続いてくれます。

木は五感すべてにやさしい素材です。

  • 視覚…程よい光沢があり、目に優しく落ち着きを与えてくれます。木の木目はせせらぎの音やろうそくのゆらぐ炎と同じように1/fと呼ばれる心地よさを持っていると言われています。
  • 聴覚…吸音率が人体に適しており、音の響きがよく聴こえます。内子町の内子座など木造の舞台の音響は響きが良いと出演者に好まれています。
  • 嗅覚…フィトンチッドの成分がもたらしてくれるリラックス効果があります。
  • 味覚…家とは直接関係ありませんが、木の箸やおひつはご飯をよりおいしくするといいます。
  • 触覚…保温性に優れ、温かく感じます。木の熱伝導率(熱の伝わりやすさ)がコンクリートや鉄などの物質よりも低い為温かく感じられます。

子どもの成長と木の家

先ほど、フィトンチッドを化学物質と書きました。化学物質と言うとからだに悪いと思いがちですが、水や酸素、塩やミネラルなども化学物質なのだそう。ただし、工業製品や食物に含まれるものの中には子どもたちが成長段階のために分解機能が備わっておらず、人体に悪影響を及ぼすものもあります。
それらをなるべく排除することが子どもたちの健康な成長を促します。

余談ですが、人間の脳は運動・発達器官を成長させることで知的発達が促されるそうです。子どもの好奇心を引き出すには、開口部が広く子どもの目線に庭が見られすぐに外に出られる空間の連続性が重要なのだとか。(チルチンびと31号より)
参考:東京都 化学物質の子どもガイドライン(室内空気編・食事編)

西渕工務店の目標

西渕工務店では使用する素材において、3つの目標を掲げています。

  • 1.「土に還らない・リサイクルできない素材」をゼロにする。

    地球環境を考え、未来の世代へごみを残さないために、家を解体する際に焼却しても有害物質を放散させない、もしくは廃棄してもいずれ土に還る、もしくはリサイクルできる材料選びを行います。

  • 2.「VOC13品目」をゼロにする。

    VOCとは、シックハウス症候群の要因とされる揮発性有機化合物のこと。厚生労働省が指定した13品目に認定されているものや、廃棄時に有害物質が放散される材料は使いません。また、これに加えて現在日本国内で測定可能な52種類の化学物質に関しても測定を行い、それら化学物質が出ないことを確認しています。

  • 3.「外国産木材」をゼロにする。

    トレサビリティ(生産履歴)のはっきりした安全な地元産のものを使います。特に私たちの住む愛媛や四国の木材を使うことは輸送におけるCO2削減や、地域の山を守ることに繋がります。

この3つの目標は、戦前まで日本では当たり前に行われてきた家づくりそのものです。家がその役目を終えたときや、手直しが必要になったときにも、自然素材だからできることがたくさんあるのです。木材・構造材は使えるものは古材として再度住宅へ利用できます。木のくずは、薪ストーブや風呂釜の燃料、また細断してペレットの原材料にすることも可能です。おがくずは、細断してペレットの原材料や、畜舎の敷物になっていきます。そして、土壁はもちろん土に還ります。落とした土は新たな土壁にも使用可能なのです。

標準仕様「チルチンびと仕様」

西渕工務店は風土社発行の雑誌「チルチンびと」が主宰する「地域主義工務店の会」に所属しています。そこでは、「チルチンびと仕様」と呼ばれる、建築で使う建材にルールが設けられ、それに則った仕様による家を標準仕様としています。そのルールをこちらに記載します。西渕工務店では内外共にチルチンびと仕様の家の認定を受けています。

■有害化学物質を発散しない建材を使用すること・・・先の3つの目標に掲げた通り、健康に有害な化学物質を発散しない素材を選んでいます。

■トレーサビリティ(生産履歴)が残っている国産の商品を使用すること・・・特に国産の地域の木材を使う。

■環境に負荷を掛けない建材であること・・・廃棄時に土に還るものやリサイクル可能であるものを極力つかっていく。

という観点から選んだ素材を使用します。(代替品がない場合など一部除外項目 例:コーキング、アルミサッシ、石膏ボードなど)があります)

使用材料においても、全て「MSDS(化学物質安全性データシート)」をメーカーから取り寄せ、安全であると認定された建材がチルチンびと仕様と呼ばれています。

脱・合板の家づくり

現在多くの新築住宅で、天井・床・壁などの下地やフローリング材に主流で使われている「合板」や「集成材」というものがどんなものかご存知でしょうか。薄く、あるいは細く加工された木材に、接着剤を塗り、圧力を加えることで1枚の板のように加工されたもののことを言います。無垢の木を使うよりも、規格品として決まったものが売られているので、大幅に施工の手間を省くことができます。

一昔前は、これらに使われてきた接着剤から気化したホルムアルデヒドやトルエンなどが体内に取り込まれることによって、シックハウス症候群となってしまう方がたくさんいらっしゃいました。なお、現在は、それらが発散されないものを使うと法律で定められています。

合板は素材は木ですが、大量生産された工業製品です。西渕工務店では合板を使わない家づくりを目指しています。

 

木材へのこだわり

私たちが育った気候・風土と同じ環境で育った木材を使うことにこだわります。地元の木材を使うことは、それらに関わる人々を潤わせ地域の活性化へと繋がります。日本の森林を健全に未来へ保っていくために、木の家をつくりつづけていくことで寄与したいと考えています。地元の木材を使用することにより輸送コストを削減できるため、地球環境への負荷も小さくなります。

愛媛県は特に桧の一大産地です。良質な桧や、目合いの美しい杉がたくさん産出されています。

地元の木材を新築で利用すると各種補助金が利用可能です。

木材は乾燥が大事

西渕工務店が構造材として使っている樹種は大きく3種類。桧、杉、松です。桧は硬く、水や虫害に強いため、土台や柱などに使われます。梁(はり)や桁(けた)などの横架材には杉がよく使われ、丸太梁などに松を使うことがあります。(構造材として使用できる松材は四国にはないため山陰地方や岡山のものを使います)

伐採したばかりの木材は、根から吸い上げた水分を多く含んでいます。特に春から夏にかけての期間は、たくさんの葉を成長させるため、より多くの水分を必要するので伐採すると水分を大量に含んだ木材になってしまいます。そのため木の伐り旬は秋から冬、寒いころまでと言われていおり、その頃に伐った木は虫が入りにくいと言われています。

木材は、乾燥するに連れ収縮していくという性質を持っています。そのため、水分量が多い木材を使ってしまうと、時間が経つに連れ、どんどん木が痩せていってしまいます。加工していく前に含水率を15%ぐらいにまで落とす必要があるのです。

杉材については特に乾燥が難しく、細心の注意が必要です。

乾燥の種類について書いていきます。

■高温乾燥・・・約100度で一気に機械を用いて2~3日で乾燥させる方法。材質が均一となるため使いやすいのが特徴。しかし木特有の香りがなくなり、すっぱいような匂いになる。また赤く変色し本来の木目の美しさが消えてしまう。

■中温乾燥・・・約60度で3週間~1か月じわじわと木材を乾燥させる方法。木本来の美しい木目を生かすことが出来る。

■自然乾燥・・・外気に置いてゆっくりと乾燥させる。半年以上期間が必要。木にとっては最も良いとされるが虫害に注意しないといけない。

西渕工務店では構造材に中温乾燥した木材を使用しています。

一部板材は自然乾燥を施したものを扱っています。

西渕工務店本社木材加工場にはたくさんの木材が積まれており、乾燥状態を見極めて乾燥が甘いものに対してはストック材と差替えるということもしています。


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