西渕工務店通信

朝ドラ論

2012年 10月 22日 (月)

工務店で働き出してからNHKの朝ドラを昼に見るのが日課になりました。
毎日毎日同じメンバーを見るわけですから当然愛着も沸きますよね。

カーネーションが一番好きなんですが、小原糸子の96年間の一代記となっています。(モデルは世界的デザイナーコシノ三姉妹の母親小篠綾子さん)

時は大正、岸和田。
洋裁に生きた一代記です。
物語は大正から、昭和初期、第二次世界大戦、戦後を駆け抜けていきます。

そして、糸子が72歳になったとき、突然役者さんが変わってしまうんです。
(尾野真千子さんから夏木マリさんに)

時は昭和60年。
糸子が夏木マリに変わった途端に味わい深かった街並みも、レトロな家も、見知った登場人物も、糸子の娘である三姉妹以外すべて変わってしまいました。

このとき結構批判とかありまして、違和感半端なかったです。
そりゃ毎日見てた人が変わるんですから。(子ども時代から言うと三人目なんですけど
別のドラマを見てるような、安っぽさまであったと思います。

それで、だれかのブログで読んだのですが、それこそが昭和後期という時代であり現代なのではないか。
簡素なものや異質のものが溢れた違和感。
それを敢えて演出しているとしたらものすごいことです。
なるほどね!

最終回、小原家を改装したサロンにみんなが集まります。
そのとき、小原糸子は死んでいて、魂としてみんなを見ていました。
その魂も、夏木マリです。徹底して、みんなが好きだった尾野真千子は出てきません。
小さな和室だった部屋が、壁が抜かれ、ただっぴろいバーカウンターまであるサロンになって、シャンデリアまで吊ってあります。

視聴者が見慣れた顔は三姉妹だけ。
あとは皆、最後の一カ月に出てきた新入りのみ!

なんとすごいことをする!
びっくりしました。

時代が変わって、便利になったことも多いですが、本質のようなものを見失っているとかなんとか言われている昨今。
ノスタルジーと言われればそれまでですが、複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れなければならないのかもしれません。(ナイトスクープ

今やってる「純と愛」も面白いですよ。
今4週目なんですけど、ヒロインなのに嫌われ者です。
めちゃくちゃな道理を言うドラマの人物は多々いると思いますが、大体その人たちは問題を無理やり片づけていくのに対し、こちらはほとんどヒロインが失敗して怒られてへこんでいるという!
終わったとき、どういう風になってるのかすごく楽しみなドラマです。


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